ニシンは北海道を中心に、釣りで狙えるとても美味しいターゲットです。
竿などの使う道具の自由度も高く、サビキなどの簡単な仕掛けで気軽に狙えますが、釣れる時期がシビアな魚でもあります。
とくに美味しい数の子持ちのニシンを釣りたいのであれば、よりポイントや時期を絞らなければいけません。
今回はタックル選びやおすすめ商品、よく釣れる時期から美味しい食べ方まで、ニシン釣りについて徹底的にご紹介します。
ニシン釣りとは
ニシンは北海道と東北の一部で釣れる魚です。
とくに北海道では古くから馴染み深く、ニシン漁の収益で建てられた豪邸は「ニシン御殿」として親しまれています。
稚魚は回遊して成長し、生まれた場所に産卵のために戻って、岸寄りしたタイミングで釣りで狙えます。
元々食用としての人気は低かったそうですが、釣って食べるニシンは美味しくて料理の幅も広いので、ニシン釣りシーズンには釣り人が押し寄せます。
漁港や防波堤から、サビキ仕掛けやルアーでも気軽に釣れるので、初心者にもおすすめですが、時期がややシビアなのも特徴です。
とりわけ数の子を持った子持ちニシンは産卵前に釣らなければいけないので、時期の予想がとくに重要になります。
ニシン釣りの時期(シーズン)や時間帯
ニシンは早い場所だと、秋から少しずつ釣果が聞こえ始めますが、本格的なシーズンは春です。
春は数が狙えるうえに、春ニシンは脂の乗りもよく、数の子を持ったニシンが釣れるため、人気が高く釣果情報も豊富です。
2月頃から釣果情報に注目し始めますが、遅い年では4~5月頃が最盛期になることもあります。
釣れる場所は限られているので、ほかの魚を釣るついでにニシン釣りの仕掛けを出して調査すれば、一足先に釣り上げることもできるでしょう。
子持ちニシンを狙うのであれば、クキ(ニシンの放精で海が濁る現象)が出る前に釣らなければいけないので、より時期の予測はシビアになります。
もっとも釣れるのは夕暮れから明け方にかけてで、もっとも釣れるのは夜なので、夜釣りの装備と、長丁場に耐える防寒装備は必須です。
最盛期であれば昼にも釣れないわけではないので、初心者の方や、そこまで数や型にこだわらない方は明るい時間がいいでしょう。
ニシン釣りに適した仕掛けやタックル(道具)の選び方
ニシンをサビキで釣るなら比較的タックルの自由度が高いです。
また、ニシンは時期が短い釣りでもあるので、ほかの釣りへの汎用性も重視して、ニシン釣りのタックルを選んでみましょう。
竿(ロッド)
ニシンは型がいいと30cm以上に大きくなる魚で、サビキ釣りだと2匹3匹とかかることもあるため、ある程度しっかりした竿が必要です。
また、置き竿で群れが来るのを待つため、短めの竿だと、大物がかかったときに竿受けごと倒してタックルが落水してしまうこともあります。
磯竿であれば3号程度が扱いやすく、長さは5.4m程度がおすすめですが、汎用性を考えれば3.6m程度でもいいでしょう。
なお、ジグサビキなどルアーでニシンを狙う場合は、長さ6~8ft程度で、7g程度のルアーを投げられるL~MLのルアーロッドがおすすめです。
【DAIWA】リバティクラブ磯風(3-53・K)
スペック的にもニシン釣りにぴったりで、価格も安く作りもいいエントリーモデルの磯竿です。
長めですがハリのあるロッドなので、大型のニシンがかかっても引きに負けずに釣り上げることができるでしょう。
長さのラインナップも豊富なので、汎用性や体力と見合わせて、3.9mや4.5mのモデルも検討しましょう。
リール
サビキ仕掛けが中心で、置き竿することを考えると、リールのタイプはスピニングがおすすめです。
ニシン釣りは遠投が必要な釣りではなく、投げても10m程度なので、そこまでの糸巻き量は必要ありません。
また、使うラインも3号程度なので、そこまで大きい番手のリールも必要ないでしょう。
2500~3000番程度のスピニングリールで、比較的安価なモデルで十分です。
2000番台であれば、ルアーフィッシングにも使いやすいサイズなのでおすすめです。
逆に、もう少し大きくても邪魔にはなりにくいので、投げ釣りなどに転用したい場合は、4000番程度まで視野に入れてもいいでしょう。
【SHIMANO】19 シエナ C3000
低価格ですがメーカー品らしくシャキッとした巻き心地で、サビキ釣りはもちろん軽いルアーフィッシングにも使用できます。
3号のナイロンラインが最初から巻いてあるので、サビキ釣りなら別途ラインを用意する必要もありません。
最近では少なくなったハンドルの逆回転機能もあるので、サビキ釣りで仕掛けを静かに海に投入するのにも適しています。
ライン
初めからリールにラインが巻いてあることもありますが、ラインが巻いてない場合、適したラインを用意する必要があります。
また、ラインは使うたびに劣化していくので、ある程度使ったら巻き直しが必要になるため、適したラインを知っておくことは重要です。
ニシン釣りにおいては、主にサビキ仕掛けを使用して、足元に落とし込むか、必要に応じて短距離投げることが多いでしょう。
大型のニシンであってもそこまで強い引きではありませんが、群れが入るとネットを使う暇がないので、引っこ抜ける号数があると安心です。
それらを加味すると、3~4号のナイロンラインが扱いやすいでしょう。
もしルアーで釣る場合には、比較的小さく軽いルアーを使うことになるので、6lb程度のラインがおすすめです。
【サンライン】ナイロンライン クインスター 600m 3号 ピンク
価格が安く巻き量が多いナイロンラインで、筆者もサビキ釣りやチョイ投げなどの餌釣りによく使用する商品です。
ニシンは夜釣りがメインになるため、ピンク色のラインであれば視認性もよく、扱いやすいでしょう。
比較的巻き癖が付きにくく、小さめの番手のリールにも巻きやすいので、ニシン釣り用のタックルにもおすすめです。
サビキ仕掛け
ニシンは何と言っても美味しく食べられるのが魅力なので、量を釣るのであればサビキ仕掛けが効果的です。
針のサイズは4~9号と時期や食い気によって開きがあるので、筆者は予備も兼ねて、号数や色の違うものを用意しています。
明るめで反射の強い色がヒットカラーになることが多く、白鈎にこだわる方も多いです。
反射するものへの反応がいいことを利用して、オモリをメタルジグにして、ジグサビキで釣るのも近年のトレンドになっています。
反射板や、水中ライトを仕掛けに取り付けるのも効果的でしょう。
【ハヤブサ】ママカリサビキ 白袖 8本鈎 6号(HS730)
白色スキンに白鉤仕様で、ニシン釣りにも適したサビキ仕掛けです。
反射板付きなので、反射を好むニシンへのアピール力も高く、ハリスも太目なので大型のニシンにも耐え、糸がらみも抑えた設計になっています。
針の号数も幅広く用意されているので、針のサイズを変えて揃えたいときにもおすすめの商品です。
ニシンの釣り方のコツ
ニシンは何と言っても食べて美味しいのが魅力なので、せっかく釣るなら数を狙いたい魚です。
ニシンを爆釣につなげるために重要な3つのポイントをご紹介します。
釣果情報を逃さずキャッチ
ニシンは産卵のために岸寄りしたタイミングでしか釣れず、その後また回遊してしまうので、釣果情報で時期を知ることはなにより重要です。
春ニシンを狙うなら2月頃から情報に目を光らせて、情報が入ったらすかさず釣りに行くようにするのがもっとも釣果に繋がります。
群れが群来するタイミングを狙うので、時間も長丁場になることを覚悟しなければいけません。
また、ニシン漁が始まると釣果が落ちてしまいがちなので、ニシン漁船が出ている情報も把握してポイントを選ぶといいでしょう。
釣れなくてもコマセは撒く
ニシンは1日の中でも釣れる時間、釣れない時間がはっきりしているため、初心者の方だとコマセを打つのをやめてしまうこともあるでしょう。
しかし、コマセを切らせてしまうと、群れが来たときに足止めできず他へ行ってしまうので、コマセは切らせてはいけません。
コマセは十分すぎる量を用意し、少量ずつでいいので、釣れていないときもこまめに打ち続けましょう。
もちろんコマセの出来も重要になるので、冷凍アミエビにしっかり集魚剤を混ぜ込んで、強い匂いで足止めできるコマセを作るのも重要です。
食い上げを待ってアワセる
ニシンのアタリは特徴的で、下から食い上げるように餌を食べに来ます。
このため、一瞬テンションが抜けてバレたように感じますが、そこで気を抜かずにアワセて巻き上げるのがポイントの一つになります。
アワセが遅れるとバレる原因にもなりますし、大型がかかるとお祭りのリスクも上がります。
サビキ釣りでは、基本的に竿を置いてアワセはせず、アタリを待って巻きますが、ニシン釣りでは群れが入ったら竿は持ちっぱなしがいいでしょう。
重い竿を長時間持って扱うのは辛いので、比較的軽く、扱いやすい長さの竿を用意するのがおすすめです。
釣ったニシンの締め方
ニシンは群れが入ると次々釣れ始め、連掛けになることも珍しくありません。
こまめに血抜きをしていると、群れを逃して釣果も悪くなってしまうので、一人で釣るなら、ライブウェルなどに一時キープするといいでしょう。
絞め方は、エラを切って海水に浸けて血抜きするのが基本になりますが、大型のニシンでは、鮮度を重視するなら脳天締めするとより効果的です。
とくに刺身で食べたい場合や、何日か置いて熟成させてから食べる場合は、血抜きは必ずしておくといいでしょう。
釣ったニシンの食べ方(料理・レシピ)
釣ったニシンはとても美味しく、料理の幅も広い魚です。
ニシンを釣るならぜひ試してほしい、筆者もお気に入りの料理法をご紹介します。
刺身
春のニシンは刺身が絶品で、ニシン釣りを楽しむ方のなによりの楽しみと言ってもいいでしょう。
生姜醤油で食べれば、お酒のアテにもご飯のおかずにも最高です。
小骨がかなり多いので、隠し包丁を入れるのが美味しく食べるポイントです。
オイルサーディン
和風な料理が多いニシンですが、洋風でおしゃれに食べるならオイルサーディンがおすすめです。
ニンニクとオリーブオイルで生臭さも消えるので、少し小さなニシンがたくさん手に入ったときに筆者もよく作る料理です。
ニシンのパイ
某アニメで強烈な印象を残し、ネタ扱いされてしまっている料理ですが、味はとても美味しく、食べた人からは人気の料理です。
正式には「ニシンとカボチャのパイ包み焼き」で、ほくほくした品種のカボチャと合わせることでより美味しく味わうことができます。
まとめ
ニシンは北海道に春の訪れを告げる魚でもあり、ファミリーフィッシングにもおすすめで、釣ってよし食べてよしの人気のターゲットです。
適切なタックルを選ぶのはもちろん、釣果情報にも注目し、美味しく調理してニシンを味わいましょう。
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