整った環境で楽しめるエリアトラウトは、タックルをいくつか用意し、使い分けながら楽しむこともできます。
とくにクランクを使った釣りを楽しみたい場合、汎用のエリアトラウトロッドよりも、クランクロッドを使うのがベストです。
クランクロッドで求められるスペックは、一般的なエリアトラウトロッドと相反している部分もあり、選び方も少し違います。
そこで今回は、管釣り用のクランクロッドについて、選び方からおすすめ商品までご紹介します。
エリアトラウトで使うクランクロッドの特徴
エリアトラウトは、一般的にスプーンがもっとも使われるルアーなので、基本的にはスプーンに合わせてロッドも設計されています。
エリアトラウトでは、管理釣り場のハウスルールで、スプーンは5g台までのものを使うことが多いです。
その設計では、スプーンより重いクランクのキャスタビリティや操作性は劣る場合があります。
なので、クランクをメインに使う場合のために、プラグ専用のロッドが必要になるのです。
具体的には、一般的なエリアトラウトロッドよりもハリがあり、クランクの抵抗に負けずに使いやすい設計になっています。
昨今管理釣り場ではプラグの重要性が上がっているため、専用ロッドの有効性も高まっていると言えるでしょう。
エリアトラウトでクランク特化ロッドを使うメリット・デメリット
エリアトラウトでクランキングする場合、クランク用ロッドにはメリットがありますが、もちろんデメリットがあります。
釣り方によってはクランク用ロッドが必要ない場合もあるので、メリットとデメリットを見合わせて選ぶようようにしましょう。
メリット
クランクを使ったときの感度が上がる
一般的なエリアトラウトロッドは、汎用のルアーロッドよりかなり柔らかく作られています。
そのロッドでクランクを使うと、引き抵抗に巻けてロッドに常にテンションがかかった状態になり、感度が悪くなってしまいます。
クランクの抵抗がかかる前提の設計であれば、引き抵抗に負けず魚からのリアクションを取りやすくなります。
クランク特有のバラシが少なくなる
クランクを使ったとき、スプーンより反応が良くなっても、バレてしまう確率が上がったという経験をした方もいるでしょう。
これはロッドがクランクと相性が悪く、抵抗による負担がかかっていることも一つの要因です。
クランク専用ロッドであれば、かけた後のやりとりも有利に運べるので、キャッチ率を上げることができます。
スプーン用ロッドをより生かせる
クランクもスプーンも使えるロッドを選ぶのも、コストを下げ荷物を減らすうえでは一つの考え方でしょう。
しかし、スプーンとクランクでは相反するロッド設計が必要になるので、どちらも中途半端になりかねません。
クランクにはクランク用タックルを用意することで、スプーン用にはより快適に使えるタックルが組めるというわけです。
ロッドへの負担を減らせる
キャスタビリティが悪くても、汎用のエリアトラウトロッドでクランクを投げられないわけではありません。
しかし、軽いスプーン向けに作られたロッドでは、重いクランクはより負担が大きくなってしまいます。
また、ロッドも使っているとへたってくるので、適材適所で使い分けることで、ロッドの寿命を延ばすこともできます。
デメリット
荷物が多くなる
タックルを何セットか持ち歩く場合、いつもの荷物にタックルが1つ増えるだけではありません。
傷や周りへの迷惑を考えると、タックルを放って釣りをするわけにもいかないので、ロッドスタンドなども必要になります。
タックルを増やせば釣りは快適に楽しめますが、大荷物になって気軽さが減ってしまうのはデメリットの一つと言えるでしょう。
コストが上がる
クランク用ロッドのメリットを最大限生かすには、ロッドの特性に合わせたリール、そしてラインも必要になります。
専用ロッドは汎用ロッドに比べると値段も上がりますし、リールも性能にこだわれば価格は天井知らずに高くなるでしょう。
快適性を手に入れるためには、その分コストがかかることも覚悟しなければいけません。
ネイティブ用トラウトロッドでも代用可能
クランク用のエリアトラウトロッドの特徴は、ネイティブ用のトラウトロッドに似ています。
昨今のネイティブ用トラウトロッドはプラグの使用を前提に、ハリがある設計になっているからです。
もちろん細部はクランク用のエリアトラウトロッドに劣りますが、もしネイティブ用のトラウトロッドがあるなら、それで代用するのも一つの方法です。
エリアトラウト用クランクロッドの選び方
ロッドには、同じ魚を釣るためのものでもさまざまな設計の商品がありますが、専用ロッドになるとよりその違いを感じやすくなります。
エリアトラウトのクランクロッドではどこに注目して選ぶべきか、ポイントを解説します。
硬さ(ロッドパワー)
クランク用ロッドは、通常のエリアトラウトロッドよりも硬めには作られていますが、その中にもパワーの違いがあります。
これは狙う魚のサイズや使うルアーの重さに合わせるためなので、よく行く管理釣り場の状況に合わせて選ぶといいでしょう。
入門用としてはLが投げやすいのでおすすめですが、MLならプラグ全般に対応しやすく、アワセが決まりやすいメリットがあります。
逆に、食い込みを重視したり、マイクロクランクなどより軽いクランクを中心に使いたい場合は、ULも検討しましょう。
テーパーによってもロッドパワーの感触は大きく変わりますが、クランク用としてはスローテーパーがおすすめです。
長さ
一般的にエリアトラウトロッドの長さは6ft台が好んで使用され、クランク用も同じ長さで問題ありません。
クランクはレンジキープが釣果につなげるポイントになるので、6ft台であれば、水面に穂先を近づけて、クランクが浮くのを防げます。
もしキャスタビリティを重視する場合は、短いほうがクランクの重さを受け止めやすく、振りやすいので、5ft台の短めのものも視野に入ります。
ミノーと兼用でプラグ用としてロッドを用意する場合も、短めのほうがアクションを付けやすくなるでしょう。
また、ユーザーの身長に合わせて長さを選ぶことで、操作性も向上し、ランディングもしやすくなります。
軽さ(ウエイトバランス)
エリアトラウトでは、ラインの微妙な変化を読み取るため、ロッドを平行に維持して使うことが多いです。
そのときの扱いやすさを考えると、ロッドはなるべく軽いに越したことはありません。
ミノーと違いクランクはロッドアクションを付けないので、より重さを感じやすくなるでしょう。
ロッド自体の自重はもちろんですが、もう一つ重要になるのが、リールとの相性です。
エリアトラウト用のリールは、一般的に1000~2500番までのリールを使用しますが、微妙に重さに違いがあります。
もちろんリールのグレードによっても重さに違いがあるので、使いたいリールとの相性も踏まえて選ぶのがベストです。
レビューにも持ち重り感が書かれていることがあるので、通販で購入する場合はレビューも見ながら選ぶといいでしょう。
エリアトラウト用クランクロッドおすすめ8選
上記したポイントを踏まえ、クランク用のエリアトラウトロッドを厳選してご紹介します。
初心者にもおすすめのモデルから、トーナメンター御用達のモデルまで厳選したので、ぜひ参考にしてくださいね。
ダイワトラウト X AT・N(60L)
価格を抑えたエントリーモデルのエリアトラウトロッドですが、管理釣り場に明るいダイワだけあって、こだわりの感じられるモデルです。
60Lはプラグに対応するモデルで、6ftモデルはグリップ部の装飾も美しく、値段以上の一本と言えます。
粘りが弱く硬さが強いので、気持ち太めのナイロンラインを使うと安心でしょう。
ダイワイプリミ(62ML)
トラウトXより少しこだわってロッドを選びたい場合におすすめの、ラインナップの充実したエリアトラウトロッドです。
オールSiCガイドでラインの選択肢も多く、グリップの握り心地も考えられているので、長時間の釣りにもおすすめです。
トラウトXに比べブランクに粘りがあるので、MLの硬さと粘りで瞬発力の必要なシーンにも扱いやすいでしょう。
ダイワプレッソ LTD AGS(61L)
トーナメンターの愛用者も多いハイエンドなエリアトラウトロッドで、感度を重視した攻めの釣りにおすすめのロッドです。
61Lはまさに「高感度クランキングロッド」と銘打たれたロッドで、クランク使用時に求めるポイントを高い次元で実現しています。
自重66gと驚異的な軽さも、他の追随を許さない高感度に寄与しています。
メジャークラフトトラパラ エリア(TXAT-604UL)
エリアトラウトロッドとしては珍しい振り出しタイプのロッドで、携帯性に優れたモデルです。
継ぎ数が多いこともあり、一般的なULよりは硬めのブランクと、柔軟なティップでクランクとの相性が良好です。
価格も安いので、電車などで管理釣り場に行きたい場合のモバイルロッドとして用意するのもおすすめです。
メジャークラフトファインテール エリア(FAX-632L)
比較的低価格で手を出しやすいモデルでありながら、本気度を感じるラインナップが話題のエリアトラウトロッドです。
クロスフォースの効果か、非常にブランクのセッティングがよく、抵抗が強めのクランクでディープエリアを攻めても安心感があるモデルです。
やや長めの6.3ftなので、遠投が必要な広い管理釣り場にも心強いでしょう。
パームスエゲリアエリア(ETGS-60UL-)
比較的手を出しやすい価格ながら、基本性能を磨き上げ、ルックスにも手を抜いていないベイトタイプのエリアトラウトロッドです。
バーサタイルなセッティングですが、ベイトリールとの相性を考えると、クランクでの使用感が抜群なモデルでしょう。
比較的キャスティングしやすいやさしいモデルなので、ベイトフィネス入門にもおすすめです。
ヴァルケインブレイクスルー ゼロヴァージ(6’0 ISS)
プラグとの相性を重視したエリアトラウトロッドで、もちろんクランクの操作性も抜群なモデルです。
クランク使用時に不安な食い込みもソリッドティップで補うことができ、硬めのラインを使ってもロッドの粘りだけでやり取りできます。
感度もいいので、低活性時などボトム付近から魚を引き上げたい場合にもおすすめです。
シマノワールドシャウラ テクニカルエディション(S52UL-3/F)
昨今、管理釣り場では、放流魚の数釣りだけでなく、50UPのニジマスや、イトウなどの大型魚を狙える場所も多くなってきました。
そういった場所で、クランクを使った釣りをしたい場合に最適なモデルです。
芯の通ったようなコシがあるのでクランクとの相性も良く、モンスタートラウトと対等に渡り合えるパワーファイトを実現します。
まとめ
エリアトラウトでの釣りは年々テクニカルになり、タックルの使い分けももはや当たり前になってきました。
クランクでどんなシチュエーションにも対応できるよう、ぜひクランク用ロッドを用意して管理釣り場に繰り出してくださいね。
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