エリアトラウトは、「管理釣り場」と呼ばれる魚を放した池や川で、ルアー釣りを楽しむレジャーです。
軽いルアーを使うので、タックルもそれに合わせますが、中でもリールは重要なアイテムです。
番手やギア比などを踏まえ、主にスピニングリールから選びますが、最近は安いモデルでも十分使えるものが増えてきました。
そこで今回は、エリアトラウト用リールの選び方と、ユーザーのレベルに合わせ、コスパも踏まえたおすすめモデルをご紹介します。
【管釣り】エリアトラウトリールとは
エリアトラウトは、ニジマスなどのトラウトが放された管理釣り場で、ルアーフィッシングを楽しむレジャーです。
自然での釣りとの一番の違いはルールの有無で、管理釣り場では事故防止のために、軽いルアーしか使用できないことが多いです。
それに合わせて、軽いルアーを使いやすいよう、細いラインを使うのが一般的です。
また、比較的狭い範囲での釣りになるので、キャスティングする回数も多い傾向にあります。
それらを踏まえると、スムーズなリーリング、確実に働くドラグ、そしてキャストを繰り返しても辛くない軽さが重要になります。
そのスペックを満たせば汎用リールでも楽しめますし、最近は安くて高性能なリールが増えているので、価格にこだわらず選びやすくなっています。
エリアトラウトリールの選び方
釣りのリールにはさまざまな種類がありますが、それは釣り方に応じて適したスペックを選ぶためです。
エリアトラウトはルアーに制限があることなどから、ほかの釣りに比べると、リール選びで考えるべきポイントは多いです。
では具体的にどういったスペックが必要なのか、選び方のポイントを考えてみましょう。
リールの種類(スピニングリール・ベイトリール)
昨今のエリアトラウトでは、スピニングリールが主流です。
スピニングリールは軽いルアーも投げやすく、ドラグ性能に優れているので、細いラインとの相性もいいのが理由です。
安いものでも種類が豊富で、糸巻き量やギア比などを適材適所で選びやすいメリットもあります。
ベイトリールも使えないわけではありませんが、ドラグ性能、軽いルアーとの相性はスピニングリールに劣ります。
また、軽量ルアーを投げられるベイトリールは、スピニングリールと比べて高価なので、入門機としては用意しにくいかもしれませんね。
番手(サイズ)は1000~2500番
エリアトラウトの場合は、主に1000・2000・2500番の、比較的小さい番手のスピニングリールが使われています。
分かりやすい違いはリールの重さで、番手が大きくなるほど重くなるため、なるべく小さいものを選びます。
まずは、基準になる2000番のシャロースプールを選べば、広く対応できるので最初の一つとしておすすめです。
もしそれより軽さを求めるなら1000番、太いラインを余裕を持って巻きたいときは2500番もおすすめです。
シャロースプールがおすすめ
シャロースプールは、番手は同じでも、スプールの溝が浅く、糸巻き量が少ないタイプのことです。
使い勝手を考えると大きめの番手がいいけど、糸巻き量が多すぎる場合などに使います。
とくにエリアトラウトでは軽いルアーを使うため、巻きグセを防止するために小径スプールは避ける傾向にあります。
このため、2000番のシャロースプールが、エリアトラウトでは基準になっているのです。
糸巻き量は100m程度巻けるもの
軽いルアーを使う場合、遠投しても50m程度なので、広い管理釣り場でも100m程度巻けていれば十分でしょう。
ただし、ラインは強さや素材によって太さが変わるので、同じ長さを巻いても、太いラインは巻ける量が少なくなります。
魚のサイズや、根ズレのリスクも考えて必要な太さのラインを選び、それを100m程度巻けることが重要です。
番手ごとのライン容量はメーカーごとに違うので、購入前にスペック表を確認しておくと安心です。
なるべく軽いものがベスト
エリアトラウトでは1日に何度もキャスティングするため、軽いほうが快適ですし、鋭いキャスティングがしやすいです。
また、重いリールだと竿先を安定させにくく、ラインがブレてアタリが取れないことも出てくるため、なるべく軽いほうがいいでしょう。
ただし、リールは軽くなるほど値段が高くなる傾向にあります。
もちろん軽いリールでなければ全く釣れないわけではないので、入門機としてはそこまで軽いものでなくても問題ありません。
ギア比(ハイギア・ローギア)
ポンド型(池)の管理釣り場においては、主にスプーンをゆっくり巻いて使うため、ノーマルギアを好む方が多い傾向にあります。
ハイギアには、リーリングでロッドがブレにくい、巻きアワセしいやすい、アタリやタナが取りやすいなどメリットがあります。
また、ミノーイングでアクションを付けたり、渓流型管理釣り場ではハイギアの方がおすすめです。
ただし、使いやすさはなによりのメリットになるので、できれば両方使ってみて、使いやすいほうを選ぶのがベストでしょう。
滑り出し重視のドラグ性能
管理釣り場では、釣れる魚のサイズを考えると、やや心もとない細いラインを使います。
これはルアーの重さに制限があるからで、強度だけを考えて太いラインを使うと、ルアーが泳がなかったり、投げにくくなるからです。
そのライン強度を補うため、スムーズに放出してくれるドラグ性能が必須になります。
2000番台以下のリールでは、滑らかさを重視したドラグ設計になっているため、エリアトラウト用にはこのサイズのリールが適しています。
また、主に餌釣りに使われるような安いリールは、ドラグ性能が劣るので避けたほうがいいでしょう。
ハンドルの作り
トーナメンターの多くが、ハンドルのカスタムをしていることからも、エリアトラウトにおけるハンドルの重要性がわかります。
ハンドルノブは、抵抗の変化を感じやすいように摘まんで持てる薄型で、ゆっくり巻くのに適したベアリング内蔵型が好まれます。
ハンドルアームも、感度を重視して短いものを好む方や、ウエイトバランスに優れたダブルハンドルを使う方もいます。
購入後にカスタムすることもできるので、交換を考えている方は、パーツの多い国内メーカー品を選ぶといいでしょう。
メーカーはシマノ・ダイワがおすすめ
世界各国に素晴らしい釣り具メーカーがたくさんありますが、中でも日本のシマノとダイワは非常に優れています。
両社は技術革新が素晴らしく、安いリールにもその技術がつぎ込まれているので、価格比の性能は世界トップと言っていいでしょう。
また、ショップでサポート対応してもらえることが多いので、故障などトラブルがあっても安心です。
もちろん海外メーカーが使えないわけではなく、デザイン性やラインナップにおいては国内メーカーに勝るものも多いです。
また、単純な販売価格で言えば、値段が安いものもあります。
多少の優劣はあるものの、適したスペックがあれば、メーカーは好みで選んでも大丈夫でしょう。
求める性能ごとの価格帯
求めるスペックを細かく紹介しましたが、安いリールでもそのスペックを十分満たしたものがたくさんあります。
最近は1万円も出せば十分使えるリールが購入できますし、五千円程度のものでも釣ること自体は可能でしょう。
国内メーカーの2万円程度のリールになると、ギアの作りやベアリングの数などが違うので、驚くほどに巻き心地が滑らかで快適になります。
また、ハイエンドモデルには、特殊な防水機能や防錆加工などが施してあることもあるので、長寿命なものが多いです。
もちろん、高いからその分釣れるというものでもないので、求めるスペックや快適性を考え、予算に合わせて選ぶといいでしょう。
初心者向けの安いエリアトラウトリールおすすめ4選
まずはこれからエリアトラウトを始めてみたいという方へ、入門機としておすすめのモデルをご紹介します。
ハイコスパなモデルを中心に紹介しますが、もし予算に余裕があれば中級者向けなどもチェックしてみてくださいね。
ダイワ20 レブロス(LT2000S)
低価格帯ながら、細かな部分にまでこだわって作り込まれている、コスパの光るモデルです。
LT規格で軽量&高剛性を実現し、細いラインのトラブルを解消するベール形状になっているので、安心してフルキャストできます。
ノーマルギアなので、ポンドでスプーンをメインに使う方には、コスパも光るおすすめモデルと言えるでしょう。
ダイワ18 レガリス(LT2000S-XH)
上級者のファンも多い、完成度の高いハイコスパモデルです。
安い分耐久性がやや劣りますが、巻き心地が非常にいいので、ハイギアを使ってみたい方にもおすすめです。
筆者は渓流で使っていましたが、エリアトラウトにも向いているモデルだと思います。
非常に軽いので、子供さん用にタックルを組みたい場合には1000番もおすすめです。
シマノ17 セドナ(C2000S)
筆者もサブ機として使用しているモデルで、メイン機と大差ない釣果を上げられるおすすめモデルです。
軽さや耐久性などは上位機に劣りますが、巻き抵抗も少なく、価格を考えれば十分な使い勝手と言えます。
バリュープライスのモデルなので、実売価格もかなり抑えられていて、今後買い替えも視野に入れている方におすすめのモデルです。
シマノ21 ナスキー(C2000SHG)
2021年冬モデルの注目株になっているのが、5年ぶりのリニューアルとなったナスキーです。
軽さこそ目立ちませんが、ねじ込み式ハンドルの採用や、サイレントドライブなどの効果で巻き心地が大きく向上しています。
この価格にしてミドルクラスと言っていいほどの完成度なので、中級者になっても使い続けられるリールと言えるでしょう。
中級者向けの人気エリアトラウトリールおすすめ4選
エリアトラウトを、趣味の一つとして本格的に楽しみたい方におすすめの、コスパにも優れるスピニングリールをご紹介します。
エントリークラスで紹介したものより、スペックだけでなく快適性も高いモデルを重視して選びました。
ダイワ21 フリームス(LT2000S)
2021年に待望のリニューアルした、ダイワのミドルクラスのおすすめモデルです。
ハンドル回りの剛性や軽量ローターの恩恵もあり、巻き始めの軽さは、このクラスのリールの中ではトップクラスと言えます。
最近のモデルでは珍しくストッパー機能付きなので、昔ながらの逆回転できるリールがいいという方にもおすすめです。
ダイワイプリミ 1003
イミプリはダイワのエリアトラウトのブランドで、その名を冠するこのリールも、エリアトラウトにぴったりのモデルです。
特徴的なのがハンドル回りで、巻き感度がいいショートアーム、繊細なリーリングを可能にする薄型ノブが採用されています。
ミドルクラスのエリアトラウト用リールとしては、間違いない完成度のおすすめモデルと言えます。
シマノ21 アルテグラ(C2000SHG)
ナスキーと並び、21年モデルの話題作になっているのが、このアルテグラです。
マイクロモジュールギア2によるスムーズな巻き心地に、Ci4+を使ったことで、より軽量化された快適な使い心地を実現しています。
今回のリニューアルでワンピースベールが採用されたので、万が一の引っ掛かりによるトラブルも防止できます。
シマノ19 ストラディック(C2000S)
ストラディックはシマノの代表的なスピニングリールの一つで、価格はミドルクラスながらハイエンドに迫る使い心地を実現したモデルです。
ミドルクラスとハイエンドの大きな違いの一つに耐久性がありますが、ストラディックはXプロテクトなどの技術で十分な耐久性を有しています。
管理釣り場でも愛用者も多いモデルなので、使用実績も折り紙付きです。
上級者向けの高級エリアトラウトリールおすすめ4選
より釣りの快適性や、繊細な釣りを目指す方におすすめの、ハイエンドのエリアトラウト用リールをご紹介します。
エリアトラウトのトーナメントへの参加を検討している方は、ぜひこのクラスのリールを用意しましょう。
ダイワプレッソ(LT1000S-P)
エリアトラウトのトーナメント用ブランド、「プレッソ」が展開する、ハイエンドなスピニングリールです。
カーボン素材であるZAIONを採用し、1000番においては145gの軽さを実現したことで、鋭いキャスティングを可能にしています。
管理釣り場をより楽しむ目的としてはもちろん、トーナメントで成績を残したい方にもおすすめです。
ダイワ18 イグジスト(LT2000S-P)
イグジストはダイワのフラッグシップモデルで、もちろん管理釣り場でも快適に使えるハイエンドなモデルです。
LT基準に基づいた最高峰の軽量化が施されているので、その軽さはもちろんエリアトラウトでも武器になります。
LT2000S-Pはややギア比が小さい1:4.9なので、スプーンでよりこだわった誘いをかけたいときにもおすすめです。
シマノヴァンキッシュ(C2000S)
汎用スピニングリールながら、エリアトラウトのトーナメンターの愛用者も多いおすすめモデルです。
2000番において145gの軽さを誇りながら、さらにウエイトバランスの良さで、数字以上の軽さを体感できるでしょう。
耐久性も高いので、管理釣り場はもちろん、ネイティブの釣りとの兼用もおすすめです。
シマノ18 ステラ(C2000SHG)
ヴァンキッシュも非の打ち所のない完成度ながら、それ以上を求めるのであれば、ステラ以外の選択肢はないでしょう。
ギアの存在を感じないほど無抵抗な巻き心地は、かすかなバイトも逃さず感じ取ることを可能にしています。
ラインの放出がスムーズな分、キャスタビリティも求めるなら、ステラは最高峰の性能を実現していると言えます。
エリアトラウトリールでよくある質問
エリアトラウトは釣りだけに向き合える環境なので、細かい部分が気になることもあるでしょう。
エリアトラウトを楽しむうえで、気になりがちな疑問にお答えしていきます。
エリアトラウトリールのカスタム・チューンはどんなものがありますか?
よく管理釣り場で見かけるのは、ハンドルノブを交換したリールです。
厚さや大きさを変えて、使い勝手を良くするだけでなく、見た目をよくするためのカスタマイズとしてもおなじみです。
他にも、性能アップのためのベアリングチューンや、スプールの交換など、求めるスペックに応じたチューニングも楽しめます。
エリアトラウトリールのメンテナンス方法を教えてください
エリアトラウトは比較的リールへの負担は少ないですが、使っている以上最低限のメンテナンスは必要です。
基本的には、説明書等で指定のある水洗いやグリスアップなどでOKです。
しかし、気付かなかったトラブルが寿命を短くする原因になることも多いので、年に1回程度、メーカーなどにオーバーホールを依頼しておくと安心です。
エリアトラウトリールに代用・流用できるリールはありますか?
番手やドラグ性能など、求める性能を満たせば、どんなリールでも使用は可能です。
代用しやすいものとしては、アジングやメバリングなどの、ライトソルトゲームに使うリールでしょう。
番手も2000番が中心ですし、ドラグも微調整可能なものが多いです。
筆者も管理釣り場のオフシーズンには、ライトソルトゲームに管理釣り場用リールを流用しています。
まとめ
エリアトラウトはじっくり釣りと向き合える環境なので、タックルの違いも感じやすいです。
最近は低価格リールもどんどん進化しているので、ぜひフィーリングにもこだわって、エリアトラウト用リールを選んでみてくださいね。
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