「魚釣り」というフレーズを聞いて、みなさんはどのような方法を思い描かれるでしょうか。
「フカセ釣り」「投げ釣り」はたまた「船釣り」など、釣り方は千差万別です。
そんな中「カヤックを使った釣り」というものがにわかに注目を集めています。
今回は、その際に必要となる「フィッシングカヤック(シーカヤック)」についてのメリットやデメリットについて解説します。
その後、最強のフィッシングカヤックをテーマに、サイズ(全長、重量)、漕ぐスタイル、価格の観点から様々な商品を紹介します。
フィッシングカヤック(シーカヤック)とは
水上を移動する際に用いられる乗り物の一つに「カヤック」があります。
このカヤックをさらに改良し、魚釣り用に特化させたものを「フィッシングカヤック(シーカヤック)」と呼びます。
具体的には、シットオンタイプのカヤックをベースに、竿を置くスペース(ロッドホルダー)、ラゲッジスペース(クーラー置き)、シート、ラダー(舵取り)などを取り付けたものになります。
このカヤックを使うことにより、船や陸上からの釣りにはないメリットやデメリットが生じますので、詳しく解説したいと思います。
フィッシングカヤック(シーカヤック)を使うメリット
全てが自由自在
フィッシングカヤックでは、釣り場のポイント選びが自由自在です。
堤防や磯釣りでは「狙っていたポイントがもう取られている…」などの苦い経験をされた方も多いのではないでしょうか。
一方、船釣りでは、釣り座が決まっており「自分の好きな場所で竿を出すことができない」、「竿は一人一本まで」など様々な制約があります。
最終的に「自分の思うような釣りができなかった…」そのような後悔の念を抱かれる方も少なくないと思います。
その点フィッシングカヤックでは、すべてが自分の思うままに行動できるのです。
このように「自由が利く」ことこそがフィッシングカヤックの最大のメリットと言えます。
お金がかからない
フィッシングカヤックは初期投資(器材購入に10万円程度)こそ必要としますが、その後はお金を必要としません。
かかるとすれば、往復にかかるガソリン代とエサ(ルアー)代くらいでしょう。
遊漁船では1回の釣行で5000~20000円程度の費用がかかります。
そのため、「毎週、休みの度に釣りに行く」というのは、経済的負担が大きいと感じる方も多いのではないでしょうか。
釣りのスタイルをフィッシングカヤックに変えることで費用を軽くし、その分浮いたお金を他のものに当てることが可能となります。
カヤックでしか探れないポイントがある
海にはたくさんのポイントがありますが、フィッシングカヤックでしか探ることのできないポイントが存在します。
具体的には、浅場(水深10m程度)に沈み瀬がある場所や、岩場の周りなどになります。
これらの場所には、遊漁船などのプロペラを必要とする乗り物は、破損リスクが生じるため安易に近寄れません。
また、陸からでは「竿が届かない」「根掛かりのリスクが高い」などを理由に釣り場に適さないような場所が多々あります。
その点、フィッシングカヤックでは、これらの全てのポイントを自分のフィールドにできます。
フィッシングカヤック(シーカヤック)を使うデメリット
転覆のリスクがある
この釣法の最大のデメリットは「転覆のリスクがある」ということです。
フィッシングカヤックは船に比べると非常に不安定な乗り物です。
そのため、ちょっとした体のバランスの変化や、波風の影響を受けることで簡単に転覆してしまいます。
もちろん、転覆を考慮した上での装備(ライフジャケットやリードでの固定)を準備しておくことは言うまでもありません。
「一歩間違えば大事故につながる」このことはフィッシングカヤックに乗る上で、十分に心得ておかなければなりません。
自然の力に大きく左右される
フィッシングカヤックでは「風の強さ」と「波の高さ」が釣果に直結します。
動力船であれば、急に風が強くなった状況でも、船首を風上に向けエンジンの回転数を上げることでその場に留まることができます。
しかし、フィッシングカヤックで同様の状況に遭遇した場合、いとも簡単に風によりポイントから流されてしまいます。
また、「波や天候の悪化にともない、瞬時にスピードを上げて引き返す」といったことも、動力船のように簡単にはいきません。
天気予報では大丈夫と判断していた場合でも、実際に自分が海に出た際に「危険」と感じたら引き返す勇気も必要です。
体力が必要
①カヤック自体の重量が20~40㎏ある
カヤックの重量は軽いものでも20㎏程度あります。
そのカヤックを車へ積むとなれば、最低でも2回の上げ下ろし作業に加え、駐車場からエントリーポイントまでの搬送も必要になります。
筋力に自信のない方にとっては「この作業だけで心が折そうになる」そんな言葉もよく耳にします。
ちなみに、これらの作業を簡素化するために「カヤックリフター」や「カヤックドーリ―」といったアイテムがあります。
筋力に自信のないと思われる方はこれらのアイテムに頼るのも一つの手です。
②常にパドリング(または足漕ぎ)が求められる
フィッシングカヤックのエンジンは自分自身になります。
海に出た後は、ひたすら自分の思うポイントに向かい、パドリング(または足漕ぎ)を続けなければなりません。
また、やっとの思いで狙ったポイントに辿り着いたとしても、波風の影響を受け、すぐに流されてしまいます。
さらに、向かい風の中では「漕いでも漕いでも、全然前に進めない…」このような状況に陥ることも少なくありません。
フィッシングカヤックは、常に強靭なメンタルと体力が求められる釣法と言えます。
フィッシングカヤック(シーカヤック)の選び方
カヤックの長さを把握する
フィッシングカヤックの搬送方法としては、多くの方が車両に積載するスタイルを取られると思います。
しかし、注意しておかなければならないことがカヤックの長さです。
道路交通法(令和4年5月13日改正)によると、積載できる長さは「車両全長の1.2倍まで」です。
また、車両の前後からは「車両の長さの0.1倍を超えてはみ出してはならない」といった決まりがあります。
このことを熟知したうえで、自身の車に積載できるカヤックを選ぶ必要があります。
(例) 全長3395mmの新型ジムニーの場合
3395×1.2=4074
3395×0.1=339.5
となり「4074mmまでの長さのカヤックは積載可能」で、積載時に「前後に339.5mmを超えてはみ出してはならない」ということになります。
取り回し可能な重さであること
フィシイングカヤックの重さは、自身の体力(筋力)を熟知した上で選ぶことが大切です。
その理由としては、重いカヤックを選ぶと、積載時の作業がストレスになり最終的に釣りに行く頻度が下がるリスクがあるからです。
フィッシングカヤックの重量は軽いもので20㎏、重いものでは40㎏を超えるものまであります。
20㎏程度のものであれば、一人での積載が可能です。
しかし、30~40㎏近くの重さとなると2人での積載や、カヤックリフターなどを使わなければ体力的にかなり厳しいのが現実です。
年に数回程度の釣行であれば、この重さも受け入れることができるでしょう。
しかし、釣りへ行く頻度が多い方は、できるだけ軽いカヤックを選びフットワークを軽くしておくことをおすすめします。
漕ぐスタイルから選ぶ
①パドリング型
ダブルブレードのパドルを使用し、左右に漕ぎわけることで進んでいくスタイル。
カヤックの重量としては、20~30㎏の比較的軽量なものが多い。
価格も10万円以下のものが多くあり、初心者でも購入しやすい。
ただし、「体力を消耗しやすいこと」や、「パドリング時は竿を出すことができない」といったデメリットがある。
②足漕ぎ型
カヤックに装備してあるペダルを足で漕ぎながら進むスタイル。
比較的、重たい傾向にあり、重量が30㎏を超えるものも多い。
価格は10万円以上のものが多く、メーカーものになると30万円を下らないため、初心者にはややハードルが高く感じられる。
ただし、前文に記載したパドリング型のデメリットが解消でき、性能面ではパドリング型に勝る。
フィッシングカヤックには最適なスタイルと言える。
最強フィッシングカヤックおすすめ12選
ボート55フィッシング シングルカヤック フルセット (kayak-m-mix)
https://item.rakuten.co.jp/boat55/kayak-m-mix/消費税、必要装備(パドル、シート、ドーリ―、リーシュコード)が全て込みで37000円と格安なカヤック。
カラーも全19種類と豊富。
全長2650mm、重量24.1㎏とコンパクトサイズ。
フィッシングカヤック入門時の1艇に、又は、お子様用のカヤックとしてもピッタリ。
さらに今なら、購入者限定で1.8mのセーフティーフラッグもプレゼントされる嬉しい特典付きです。
ボート5510ftフィッシングカヤック フルセット (10ft-kayak)
同じくボート55から出されている10ftカヤック。
全長を3100㎜と長くすることで推進力が向上。
重量は25.5㎏と一人での積載も可能な範囲。
大手メーカーのカヤックと比較しても機能面での遜色はなく、価格は50000円とリーズナブル。
一つ前の商品で紹介した必要装備に加え「ラダーの標準装備」、「大き目のリアラゲッジ」など上級者向けの仕様となっている。
「これから本格的なフィッシングカヤックを始めたい」そのような方へ自信を持っておすすめできる商品です。
VIBESEA GHOST 110 (vibe-seaghost110sale)
全長3500mm、重量28㎏と中級サイズでカヤックリフターを使用しなくても一人で積載可能な重量です。
デザインが洗練されており、見た目もGOOD。
カヤックの船尾と船首に「持ち手」が付いているため、搬送する際にも扱いやすいです。
価格も60000円を下回り、標準装備(パドル、シート、リーシュコード、ラダー)も充実しているため、中級者以上の方へおすすめです。
HANTフィッシング カヤック ペダル / Tarpon(ターポン)300 (GRP-TR300)
2021年度に誕生したばかりのブランド「HANT」から出されている商品。
全長3000mmとコンパクト設計の足漕ぎカヤックです。
ただし、重量が38㎏と重く、一人での積載にはカヤックリフターを使用するのがベター。
横幅は80㎝あり安定感は抜群で、カラーも6種類と豊富な点も嬉しいです。
ただし、リアハッチの影響で大きなサイズのクーラーを積載できない点が難点と言えるでしょう。
Exect familiarフィッシング EX3600ZR 12ft ポセイドンfishing (MCY01-004)
全長3600mm、重量31㎏の足漕ぎカヤック。
長さの割に重量が軽く作られており、足漕ぎカヤック最大のデメリットであった「重さ」を上手く克服できている商品と言えます。
また、リアラゲッジには大型クーラー(シマノ スペーザーホエールの60L)が積載可能との口コミもあり収納能力も問題なし。
中級者以上の本格的な足漕ぎカヤックを探してある方へおすすめしたい一艇です。
ビッグモーラフィッシングカヤック 一人乗り (gold-k005)
全長2860mm、重量20㎏のコンパクトタイプのカヤックです。
安定性や操作性に優れており初心者でも取り扱いがしやすい。
ただし、カラーバリエーションが2色と少ない点が少し寂しいところ。
パドル、ロッドホルダー、シート付で42800円とリーズナブルであるため、初心者への入門時の一艇としてもおすすめできる商品です。
ディスカバリー13ftカヤック ラダー付きフルセット (kydc10ft_1)
全長3950mm、重量35㎏とやや大きめのカヤック。
必要な装備は全て付属しており購入後すぐに出艇が可能な仕様となっています。
デザインや標準装備を総合的に考えた上で、中級者~上級者へおすすめしたい商品。
また、シートの座面が高く長時間の釣行でも疲れにくい設計がなされています。
ただし、リアの構造が「ラゲッジ」と「コンソールボックス」の2つに分かれており、大き目のクーラーを置くには改良が必要になるでしょう。
IRCSK-V シングルカヤック (kayak12)
全長2710mm、重量20㎏とコンパクトかつ軽量なカヤックであるため、一人での軽自動車への積載も容易に可能です。
長さに対し幅が750mmとワイドな設計のため、水上でのバランスがとりやすく転覆リスクが少ない。
ただし、シートやパドルは付属していないため「カヤック本体のみ」の購入を希望してある方へおすすめです。
ボート55足漕ぎカヤック シェルフェ290 (sherfe290)
全長2900mm、重量25㎏と軽量な足漕ぎカヤック。
価格も11万円と今回紹介した足漕ぎカヤックの中では最安の商品です。
このコンパクトなカヤックの中に釣りに必要な要素が凝縮されており、非常にコストパフォーマンスの高い商品といえます。
初心者で足漕ぎカヤックを探してある方におすすめの商品です。
まとめ
今回は、フィッシングカヤックについてサイズ(全長、重量)、漕ぐスタイル、価格の観点から様々な商品を紹介してきました。
よいカヤックの条件は、人それぞれの求める要素で違います。
今回の記事を参考に、自分自身にとっての「最強のフィッシングカヤック」をぜひ、見つけ出して下さい。
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