テトラポットを「聖地」と考えているアングラーは少なくありません。
なぜなら、魚の付きが良い絶好のストラクチャーで釣果が上がりやすい場所だからです。
しかし、そんな「聖地」には危険が沢山潜んでいます。
滑りやすく、歩きづらいテトラを攻略する第一歩は「靴」にあります。
「聖地」での釣りを最高に楽しむための安全なフィッシングシューズや長靴の選び方から紹介します。
フィールドや自分のスタイルにあった釣り靴を見つけてみてください。
テトラ用釣り靴を使うメリット
滑らない
テトラとは消波ブロックのことを指し、役割は波の衝撃を和らげることです。
そのため、組まれているテトラの多くは波を被って濡れています。
濡れている不整地なテトラの上は滑りやすくなっているので、危険度は高い場所です。
普通に歩くだけでも力のかけ方によって横滑りする恐れがあるため、安全対策が必要です。
釣り靴は安全対策がされているので、不意な事故を大幅に減らすことができます。
歩きやすい
地域によっても変化しますが、几帳面な人が組んだと思われるテトラ帯から感性豊かな芸術家が組んだであろう不揃いなテトラ帯もあります。
几帳面型テトラ帯は比較的歩きやすいのですが、芸術型テトラ帯は注意が必要です。
普通の靴の場合、滑りやすいので注意して進まなければなりません。
しかし、釣り靴の場合は安全設計からそのような心配がなく歩くことができます。
重心が取りやすい
テトラの多くは4本足であり、その足の先端が足場になります。
充分なスペースがないことや傾斜があることなどから、非常に不安定な場所です。
危険なシーンは歩くときだけではありません。
足場の不安定さからキャスト時とフッキング時にバランスを崩してしまう恐れがあります。
釣り靴は普通の靴と比べると重さがあるため重心が下がり、体が安定するため安心してキャストやフッキングをすることが可能です。
デザイン性
昔の釣り靴は、いかにも長靴という感じでした。
しかし、昨今のアウトドアブームによりデザインが一新されており、非常にオシャレになっています。
特に電車釣行の方は人目に触れることがあるので、気を使いたい部分でもあります。
最近の釣り靴はデザイン性も高く、カラーリングもお洒落なので安心して電車に乗ることができます。
テトラ用釣り靴の選び方
ソールで選ぶ
スパイクソール
スパイクソールとは、靴底に金属のビスを刺したり、ゴムの塊で突起を作ることでスパイク状になっている靴底を指します。
利点は、滑りづらいことと重心が安定することです。
スパイクがテトラをしっかりと噛んでくれるため、滑りづらくなっています。
藻や藤壺といった滑りやすい要因がテトラに付着していても安心です。
また、金属やゴムの塊が靴底に付いているので普通の靴よりも重い作りになっていますが、重いことで重心が安定し不整地な場所を歩きやすくしてくれます。
欠点は普通の道が歩きづらいことです。
歯が出ている状態なので、普通の道には向きません。
スパイク部をしまうことができる構造の靴もあるので、選ぶ際に注意が必要です。
フェルトソール
アウトソールがフェルト素材で作られている靴底をフェルトソールといいます。
フェルト素材には羊毛とアクリルの2種類があります。
利点は、クッション性とグリップ力が高いことです。
フェルトは柔らかい素材のためクッション性と柔軟性に優れています。
歩きづらいゴツゴツした岩場や藤壺が付着しているテトラを柔軟なフェルトがしっかりと地を捉えることで軽快に歩くことができます。
また水を吸ったフェルトはグリップ力が高いため、滑らない素材としても優秀です。
欠点は、コストパフォーマンスが悪いところです。
柔らかい素材なので、底が削れやすい性質があります。
適度にソール交換が必要となりますが、簡単に底は交換可能です。
ラジアルソール
ラジアルソールとは、ゴム素材で作られているソールです。
釣り用のラジアルソールは、深い溝を作ることで濡れている地面との接地面を減らし滑りにくくしています。
利点は、普段使いもできる点です。
最近の釣り用靴は普段使いすることができますし、底の形状もタウンユースにしても問題ありません。
欠点は、他のソールに比べると滑る可能性が高いことです。
ゴム素材を濡れている地面で履く場合、地面とゴム素材の間に油膜が出来てしまうため摩擦係数が減り、グリップ力が損なわれてしまいます。
刻まれている溝を上手く利用し、地面と垂直に力をかけながら歩くことをおすすめします。
ハイパーVソール
日進ゴム社が開発したゴム底ソールです。
水場で働くシェフのために作られたコックシューズや足場の悪い場所での作業靴を多く展開してきましたが、釣り具メーカーとコラボする形で釣り用靴を作っています。
利点としては、グリップ力が抜群で滑らないことと普段靴にも転用できることです。
ゴム底の欠点として水に濡れると滑るという部分を克服し、滑らないゴムを開発しました。
そのゴム底を使ってアッパーはスニーカー、アウトソールはハイパーVソールで普段使いがしやすい商品が多くあります。
欠点らしい欠点が見つからないことも利点に入ります。
カットで選ぶ
ローカット
くるぶしまでのスニーカーの形状です。
動きやすさを重視するのであればローカットです。
自由度が高いため、ランガンや長時間の釣行には向いています。
テトラを隈なく探索したいアングラーにはもってこいの形状ともいえます。
ただ、自由度が高い分力が逃げやすくなっているので、テトラに足をかける時には注意が必要です。
横滑りの原因となります。
ミドルカット
くるぶしよりも少し上まで覆ってある形状をミドルカットといいます。
くるぶしまで靴が覆っている状態なので、安定性が高いのが特徴です。
紐をしっかり結ぶことで靴内部の自由度が失われるため、力が逃げにくい作りとなっています。
また、靴自体の重さが重くなるため、重心が下がり安定性がでます。
力が逃げないことと安定性で滑りづらくなります。
多くのアウトドアシューズに採用されている形状です。
移動はローカットよりもしづらくなりますが、問題ない範囲で動き回ることが可能です。
ハイカット
ハイカットは、足首全体が覆っている形状のことを指します。
長靴やブーツはこの部類に入ります。
ポイントを決めたら動くことはあまりしない不動のアングラーにはもってこいのシューズです。
長いものはふくらはぎまでアッパーが伸びているので、フィット感が非常に高く履いていて邪魔になりません。
タイドプールを渡る時に非常に有効ですが、ローカットやミドルカットに比べると機動性は落ちますので、お気をつけ下さい。
防水性
テトラは海に近い所ほど濡れている場合があります。
特に穴釣りをする方は、海面手前まで行くケースもありますので防水性は欲しいところです。
完全防水加工がされている靴や〇〇cm防水といった限定部位だけの防水加工されている靴もあるので、お値段と相談してください。
当然NASAが開発したゴアテックス素材を使用した靴はお値段が張ります。
不意に波が来て靴が濡れてしまっても、その後の釣行が気持ち悪くならない防水加工はアングラーにとって強い味方です。
お買い物の際の注意事項としては、「防水加工」と「撥水加工」は全く別物なのでどういう機能なのかを確かめてからお買い上げ下さい。
フィッティング
ネットで靴を注文する際に、家から出ずに手元に届くのは大変便利ですが、試し履きやフィッテイングが出来ないのが難点です。
アウトドアシューズは、メーカーやモデルにも差異がでますが、靴内部の中綿があるため少し小さめの作りとなっています。
そのため、0.5cm上のサイズで購入することをおすすめします。
もし大きい場合は靴下やインソールを入れることで解決します。
またアウトドアシューズのミッドソールは固めに作られているため、インソールでクッション性を調節すると履き心地が格段にアップするので、是非試してください。
長靴タイプは中綿がないため、大きめの作りとなります。
0.5cm下のサイズで購入しましょう。
テトラ用釣り靴おすすめ10選
まとめ
テトラは危険が多く潜んでいますが、釣果が上がりやすい絶好のポイントです。
多種多様な機能を兼ね揃えた靴を履いて危険から身を守りましょう。
フィッシングシューズを装備して安全で快適な釣りを楽しんでください。
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