シーズンや回遊の影響が少なく、足場の良い場所で気軽に釣りを楽しむことが出来る海上釣堀では主に浮き釣りと脈釣りはと呼ばれる釣法が用いられます。
脈釣りはスレた魚ややる気のない魚に特に有効で、ベイトロッドと掛け合わせることによってより快適になります。
今回は海上釣堀で脈釣りに適したベイトロッドを、メリットやデメリットを踏まえて選び方やおすすめベイトロッドをご紹介します。
海上釣堀で脈釣りに使えるベイトロッドの特徴
海上釣堀で脈釣りに使えるベイトロッドは高感度とパワー、食い込みの良さの3点を兼ね備えていることが特徴です。
海上釣堀はシーズンや回遊の影響は少ないですが、生簀の中という特殊な環境下にいる魚を狙うことになります。
プレッシャーが高いので小さなアタリを感じ取れる高感度と、魚をしっかりと掛けることのできる食い込みの良さが必須になります。
さらに海上釣堀では青物や大型の真鯛が放流されることも多く、大型魚にも対抗することのできるパワーが必要になります。
以上のことから高感度、食い込みの良さ、パワーの3点を兼ね備えていることが適したロッドの特徴になります。
海上釣堀で脈釣りにベイトロッドを使うメリット
フォール感度
ベイトロッドとスピニングロッドではラインの出方に違いがあり、フォール感度はベイトロッドの方が優れています。
フォールで誘う脈釣りでは、フォール中のアタリをどれだけ感じ取ることが出来るかによって釣果に大きな差がでます。
なのでベイトロッドを海上釣堀での脈釣りに使うことは大きなメリットになります。
パワー
魚は針掛かりすると沖へ向けて走ったり深場へ潜ろうと抵抗しますが、魚が大きくなればなるほど力も比例して強くなります。
ベイトロッドは製造過程の違いによってスピニングロッドに比べ、若干ですが硬くて強いロッドが多いです。
さらに巻き取り力の強いベイトリールと組み合わせることが出来るので、ベイトロッドを海上釣堀で使うことはメリットになります。
ベイトリール
ベイトロッドにはベイトリールを使用することが前提になっていますが、ベイトリールは脈釣りなどのフォール主体の釣りと相性が良いです。
フォール中のアタリからのフッキング動作や棚の把握のし易さはスピニングタックルに比べ、段違いにやり易くなります。
カウンター付きのベイトリールもあるので、選択肢の幅が広くなります。
ベイトリールを快適に使うことができることは、海上釣堀での脈釣りでベイトロッドを使うことの最大のメリットです。
海上釣堀で脈釣りにベイトロッドを使うデメリット
探れる範囲
脈釣りのデメリットにも繋がることですが、ベイトロッドではロッドの長さ内の範囲しか探ることが出来ません。
下記にもありますが軽いものが苦手な為、少し投げるなどの小技を使うことが出来ないからです。
生簀という限られたエリア内の中でも、更に限られた範囲しか攻めることができないことはデメリットになってしまいます。
軽すぎるものは苦手
ベイトロッドで使用するベイトリールは先端の自重でラインを引っ張り、スプールを回転させるという構造なので軽いものがとても苦手です。
ガン玉などで重量を調整しますが、脈釣りは自然に餌はフォールスピードによっても釣果に差が出ます。
ノーシンカーなどでのスローフォールは、ベイトロッドやベイトタックルの苦手分野になってしまうので注意が必要です。
ライントラブル
メリットにもある様にベイトロッドはベイトリールの使用が前提となっていますが、ベイトリールにはライントラブルが付き物になります。
特にスプールの回転スピードがラインの放出スピードを上回った時に起きるバックラッシュはベイトリールの天敵になります。
ライントラブルは釣行時間が削られるばかりか、ラインブレイクの原因や釣り自体を断念しなければならないことにも繋がるので注意が必要です。
海上釣堀で使える脈釣りに適したベイトロッドの選び方
長さ
海上釣堀で脈釣りに使用するロッドの長さは3〜3.5mが基本で、最短2．5mから最長でも4m程度が一般的な長さになります。
使うロッドの長さの決め方は上記の長さを基準として操作性を重視する場合は短く、探れる範囲を広めたい場合には長くすると良いです。
他ジャンルのルアーロッドを流用する時は少し短めになりますが8ft半ばから10ft前後がラインナップも多く選びやすいく、際などの近場を攻めやすくなります。
脈釣りで5m級のロッドはほぼ使用することはないですが、各海上釣堀でロッドの長さの上限のルールが決められている場合があるので注意が必要です。
硬さ
対象魚やアベレージサイズによって変化しますが、海上釣堀ではMクラスのベイトロッドが脈釣りに適しています。
Mクラスのロッドであれば小さい魚から中型クラスの青物まで対応することができ、幅広く使うことができます。
MLやLも問題なく使用することは出来ますが、青物が多く混じる場合にはパワー不足になるので注意が必要です。
60cm以上の青物が混ざる場合や青物が主体の海上釣堀では、Mクラスでも非力に感じるのでMH〜Hが候補になります。
青物がいる海上釣堀で柔らかいロッドはロッドの破損やバラしの原因にもなるので、思っているよりも一段階硬いものを選ぶと失敗が少なくなります。
調子、テーパー
海上釣堀で脈釣りに使うベイトロッドは、ロッドの中央から手元にかけてしっかりと曲がるものが良いです。
ロッドは先調子やファストテーパーになるほど操作性が良くなり、胴調子やスローテーパーになるほど魚とのやり取りが容易になります。
海上釣堀での脈釣りはフォール主体の釣りなので、操作性よりも大型魚とのやり取りのし易さが重要視されます。
なので専用ロッドであれば胴調子から元調子、ルアーロッドなどの他ジャンルのロッドであればレギュラーテーパーからスローテーパーが適しています。
海上釣堀で使える脈釣りベイトロッドおすすめ10選
シマノ23シーリア ベイトさぐり300
ライントラブル軽減の為にスパイラルガイド仕様になっている、2023年最新作の脈釣り専用ベイトロッドです。
目視でもアタリを明確に判別できるウキの様な独特なカラーリングをしたグラスソリッドティップを搭載しています。
本格的に海上釣堀での脈釣りをする方におすすめな専用ベイトロッドです。
宇崎日新フリード 海上釣堀 330
多点ガイドにより両軸リールに対応し、柔軟なティップと合わせることによって繊細なアタリも逃すことのないロッドです。
3.3mの長さは取り回しも良く、近場などを入念に探ることに長けています。
真鯛や青物にも対応出来る海上釣堀での脈釣り専用ベイトロッドです。
HAPPY ANGLER釣りおじさん 即掛 脈釣りSP350
HAPPY ANGLERが考案し、宇崎日新が生産した独自路線をいく数少ない海上釣堀の脈釣り専用ベイトロッドです。
ライントラブルを少なくするガイドシステムに、折れにくいタフな仕様ながら繊細なアタリも逃さないティップを搭載しています。
真鯛、シマ鯵をメインとしていますが青物にもしっかりと対応できるロッドです。
ダイワシーパラダイス さぐりづり・V S-350
スタンダードなレングスで際から沖目まで対応可能な、海上釣堀での脈釣り万能モデルです。
全体がしなやかに曲がることによってハリス切れや口切れを防ぎ、大物がかかってもパワフルなやり取りを可能にしています。
入門ロッドの位置にあるロッドですが、中級者以上の方にもおすすめな完成度の高いロッドです。
シマノ18 ワールドシャウラ 1832R-2
世界中のありとあらゆる魚をターゲットとしたワールドシャウラは海上釣堀での脈釣りにもおすすめのロッドです。
小魚の小さなアタリを感じることのできる感度と大型青物にも負けないバットパワーは専用ロッドにも負けません。
レングスが短めなので、近場をテンポ良く探るスタイルに適しています。
シマノ23 ディアルーナ B96ML
シマノのミドルクラスシーバスロッドとして有名な、ディアルーナの2023年最新作モデルです。
柔らかめのMLですが真鯛の突っ込みにも耐えるバットパワーと繊細なアタリも感じることができる感度を持ち合わせています。
シーバスロッド特有のブランクの粘りと、取り回しのしやすいレングスも相まって海上釣堀でも使いやすい一本です。
アブガルシア SaltyStyle ショアジギング モデル 10.0MH
数少ないショアジギング専用ベイトロッドですがパワーがあり、脈釣りに丁度良いレングスのため大型真鯛や青物を狙うことに適しています。
海上釣堀の脈釣りで大型魚を専門に狙う場合には他にはないパワーが必要になり、大型魚の突っ込みにえられるパワーと海面まで浮き上がらせるリフト力を備えたロッドです。
本格的に大型魚を狙いたい方におすすめのロッドです。
ダイワラテオ・R 93MB
ミドルクラスのシーバスロッドですが、ランカーの大型シーバスを容易に寄せることのできるバットパワーを持ったロッドです。
上記のディアルーナと近いスペックになっていますが、青物を狙う場合にはMクラスのこちらが適しています。
取り回しの良い短めのレングスなので際を狙ったり、テンポよく近場を探る場合におすすめのロッドです。
アブガルシアSaltyStage Prototype ショアジギング 10.3H
今回ご紹介するロッドの中では一番ハイパワーなショアジギング専用ロッドです。
3m弱の取り回しの良いレングスに、大型青物にも負けることのないバットパワーを持っています。
小型の魚ではオーバースペックになってしまいますが、大型青物を専門的に狙う方には特におすすめです。
大郷屋B-VOLOST 海上釣堀脈釣王ズーム 340
数少ない海上釣堀の脈釣りベイトロッドの中でも、更に一風変わったロッドになっています。
全体は振り出し式ですが穂先は並継になっており、大郷屋特製オリジナル穂先が標準装備です。
足元を狙う際に助かるZOOM機能なども搭載しているので一本で様々な使い方が出来、青物にも対応できるので一本で何役もこなしてくれる万能ロッドです。
まとめ
海上釣堀での脈釣り専用ベイトロッドはラインナップが少ないですが、今回は流用できるものも含めご紹介しました。
特にプレッシャーが高くなりスレた魚や活性の低い魚には脈釣りがとても有効です。
ご紹介したベイトロッドを参考にしていただき、是非海上釣堀で脈釣りマスターになってください。
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