チニングとはチヌ(黒鯛)と呼ばれる魚を対象にルアーで狙う釣法で、チニングロッドという専門のロッドが発売されている程人気の種目です。
しかし専用ロッドを使わなくてもチニングは成立し、手軽にできる種目であることは意外と知られていません。
今回はチニングに代用できるロッドの条件や選び方を詳しく解説し、そのロッドの特徴を踏まえたチニングをご紹介します。
チニングに代用できるロッドの特徴
チニングに必要なロッドの条件は、ロッドにパワーがあること、チヌの細かいアタリを判別できる感度の良さをもっていること、ティップはチヌに追従してくれるレギュラーテーパーであること、以上の3点が挙げられます。
チヌのアタリは細かく繊細なものなので、代用ロッドにはそのアタリを判別できる感度の良さが求められるのです。
また、チヌはパワーが強い魚なのでそのパワーに負けないような粘り強いロッドだと戦いの主導権を握ることができます。
チヌは走る、潜るを多用してきますので、その動きに対応できるようにロッドのティップは柔らかめで内側に入るものが使いやすく、チヌを獲りこみやすくなるでしょう。
チニングに代用できるロッドを使うメリット
汎用性
チヌは身近にいる魚であり、堤防やゴロタ場、河口付近と日本全国各地の身近な場所で生息しており、様々な釣法で釣ることができます。
そのため、ジャンルを問わず様々なロッドで釣果を上げることができるので、ロッドに対して汎用性が高い魚と言えます。
ロッドの特性を掴むことで専用ロッドを使わずとも釣果を挙げるジャンルとなっているのです。
気軽
身近にいてファイト性が高いチヌを狙うチニングの装備は、ロッド、リール、タモ、ワームさえあれば釣りが可能なので、身軽で気軽な装備で始めることができます。
ファイトになると強い引きと達成感を味わうことができるので、今持っているロッドでも始められるジャンルとも言えます。
年中狙える
今メインで狙っている魚種のジャンルのロッドでもチニングは始められる可能性が高いので、シーズンオフの際には是非挑戦してみてください。
例えば、春と秋にはエギングをメインでやっていても、夏場は同じロッドでチニングをやることが可能です。
冬場には温排水が流れ込んでいる場所に溜まる傾向があるので、チヌは年中狙うことが出来ます。
チニングに代用できるロッドを使うデメリット
何かが足りない
専用ロッドではないので、何か物足りないなどの声があがる可能性があります。
例えばエギングロッドの場合、ロッドの硬さや長さ、ウエイトに問題はありませんが、ルアーを引いてきた時に違和感を感じる場合があります。
エギングロッドでチニングをする場合は、ボトムノックが有効です。
難易度が上がる
チニングロッドは専用ロッドなので、チヌへの誘い、掛けた時のファイトなど違和感がありませんが、他のロッドの場合はそのロッドの特性を活かさなければいけないので、難易度が上がります。
例えば、ライトゲームロッドでチニングをする場合はパワー不足に悩まされ、暴れるチヌの攻撃に耐えることが容易に想像できます。
時間をかけることで獲ることは可能ですが、バラす可能性が高くなりますので難易度は上昇してしまうのです。
チニングに代用できるロッドの選び方
長さ
6ft後半から8ft前半の長さが飛距離や操作性、パワーに申し分なく、使いやすくなっています。
6ft後半は飛距離は伸びませんが、操作性に優れているのでルアーの特徴を最大限に活かした誘いやチヌの細かいアタリに対しても反応しやすくなるので、対戦するチャンスが増えるです。
7ft台はオールラウンダーなロッドが多く、飛距離、操作性のバランスが優れているのでチニングを最もしやすい長さとなるので、迷ったらこの長さを選びましょう。
8ft台は遠投性能、パワーに優れているので、沖にいるチヌや川の対岸に溜まっているチヌを狙い撃ちすることが可能です。
場所、足場の高さなどを考慮することでより代用ロッドでチニングがしやすくなるので、いつもの釣り場を想像して選ぶことをお勧めします。
硬さ
チニングの場合はチヌに違和感を持たせないように柔らかめの方が使いやすいのですが、あまり柔らかすぎると掛かった時にのされてしまいます。
そのため、LクラスからMLクラスの硬さがチニングには有効です。
Lクラスの場合は、トップウォーター向きとされており、ポッパーやシンペンを竿先で細かく動かすことでドッグウォークなどがしやすく、誘いやすいクラスです。
そしてMLクラスの場合は、ボトムノックが綺麗に決まりやすくフォール姿勢で喰ってくる頻度が高くなります。
どちらか迷った場合はMLクラスを選ぶとオールマイティーにチニングができるのでおすすめです。
テーパー
チニングに適したテーパーはファーストテーパーからレギュラーテーパーの間とされています。
7:3で曲がるファーストテーパーは、繊細なティップワークが可能なのでルアーのポテンシャルを引き出すことが容易です。
フッキングも決まりやすく、掛けた後にチヌの動きに合わせてティップが入り込んでくれるので暴れさせません。
レギュラーテーパーの場合は5:5で曲がり、ルアーのウエイトをロッド全体で受け止めることができるので遠投性に優れています。
掛けた後もパワーファイトを展開できるのでバラす心配が少なく、ファイトに慣れていない初心者アングラーにもってこいのテーパーです。
ティップ
ティップはソリッドティップとチューブラティップの2種類があり、どちらでも問題なくチニングはできるので、好みで選びましょう。
ソリッドティップは中身が詰まっている製法で作られており、オートでフッキングしてくれるティップで、チヌの細かいバイトに対し積極的にファイトに持ち込むことができます。
ファイト中は食いこみがよく、バラシを軽減してくれるので暴れるチヌと心ゆくまで楽しめるでしょう。
チューブラティップは中身が空洞となっており、穂先の張りが強いものとなっています。
感度の高さから地形変化を手元で感じ、チヌを掛ける醍醐味を存分に味わうことができるので、「釣れた」ではなく「自らの意思で釣った」感覚に高揚すること間違いなしです。
バッド
バッドは強めのものであればチヌと対峙した時にのされることがありません。
潜ろうとする動きや走る動きに対しロッドは曲がりますが、ロッドは元に戻ろうとする動きをみせます。
その際に下支えするのがバッド部分となり、バッドパワーが強いと魚は浮くのです。
どんなにチヌがもがいてもロッドを立てた時に浮くので、ファイトの主導権を握り、効率よくネットインまでもっていけます。
ベイト、スピニング
どちらのリールを使っても問題ありませんが、釣法によってやりやすさが変わります。
ベイトの場合は、縦の釣りに強くボトムノックなどが効果的です。
太いラインを使用することができるので、ずる引きをしても根がかりを強引に外したり、掛かった時に強引にファイトに持ち込むことができます。
スピニングの場合は飛距離が確保でき、巻きの釣りを得意としているのでトップウォーターがやりやすくなっています。
広範囲でチヌを捜索することができ、チヌを見つけたら細かいピッチングで誘いこみ、思わずチヌが追いかけて口を使わせることができるのです。
そのチェイスを目で確認することができたら、興奮が止まらなくなり、チニングにはまってしまうでしょう。
ウエイト
20g程度まで背負うことができるとチニングの釣法は全部網羅することができます。
メインとなるウエイトは、7gから15gになりクロー系のワームを使う場合はワームに3gから5gほどの重さが乗るので、実際の重さは10gから18gです。
この重さを背負うことができれば、フリーリグや直リグなどでボトムを取りやすくなり、フォールで魅せることも可能です。
流用できるロッド
バスロッド
バスロッドを代用する場合のメリットは、長さやウエイトがマッチしていること、釣法が似ているのでルアーの扱い方が同じであること、バッドパワーが強いのでチヌの突っ込みに対し負けないことが挙げられます。
デメリットとしては、ロッドが硬いのでティップが入り込まずフッキングがしづらいことですが、対応策としては柔らかめのバスロッドを使用するとよいでしょう。
代用しやすいモデルとなりますが、ロッド本来は淡水で使うことを想定されているので、チニングをした後には必ず水で洗い流しケアを怠らないようにしましょう。
エギングロッド
エギングロッドは様々なジャンルの釣りができるバーサタイルロッドとして有名ですので、チニングも問題なくすることができます。
メリットとしては、長さや硬さがマッチしていること、ボトムノックの動きをしやすいので誘いが上手くいくこと、ティップが入りやすいのでフッキングが決まりやすいことです。
デメリットとしては、若干のパワー不足になりやすいのでリールのドラグ調整は締め気味で設定しておくことをおすすめします。
シーバスロッド
バーサタイルロッドとして色々な釣りに大活躍するシーバスロッドでチニングをする場合は、少々物足りないかもしれません。
メリットとしては、掛けた後のやり取りが楽なこと、スイミングで誘いがやりやすいことが挙げられます。
デメリットとしては、平均的なシーバスロッドだと長すぎること、オーバースペックになりやすいので物足りないことです。
パワーがあり、強引なファイトに持ち込むことができる半面、30cmぐらいのチヌの場合拍子抜けしまうかもしれません。
ロックフィッシュロッド
本格的な磯場で使うロックフィッシュロッドだと難しくなりますが、柔らかめのロックフィッシュロッドはチニングに適しています。
メリットとしては、ボトムノックがやりやすく誘いやすい、ファイトに余裕が出るので楽に獲り込むことが可能です。
デメリットは、基本的に硬めの設定なのでフッキングしづらいこと、パワーがあり過ぎるので物足りないことが挙げられます。
スピニングロッドよりもベイトロッドの方がチニングに適しているモデルとなり、ボトムゲームを存分に楽しめることでしょう。
チニングに代用できるロッドおすすめ10選
まとめ
チニングは身近にいるチヌを手軽に遊ぶことができるジャンルであり、条件さえ揃えば様々なジャンルのロッドで狙うことが可能です。
一から全部揃えることなく始められるので、サブターゲットとして気軽に遊んでみてください。
釣具の売れ筋ランキングも
チェックしよう!