繊細なアタリを感じ取るアジングのラインには、ベーシックなPEラインは不向きとされています。
そのため、アジング用ラインは、フロロカーボンもしくはエステルラインを選ぶ方が多いです。
しかし、最近では企業努力と技術革新により、PEラインが見直されています。
従来のデメリットを打ち消した「高比重」のシンキングPEラインの開発により、アジングのスタイルも変化しつつあります。
そんなシンキングタイプの高比重PEラインのメリット、デメリットと共におすすめなラインを紹介します。
アジングで高比重PEラインを使うメリット
強度が高い
従来のPEラインの構成は、細いポリエチレンを数本編んで作られています。
そのため、撚ってある糸同士が伸びないため伸縮が少ない糸となります。
また、綱引きをした際に引っ張る強度が高い糸なので、大物も不安なく捕ることが可能です。
アジング用のPEラインも同じ作り方をしているので、メガアジやギガアジといった尺オーバーのアジにも対応できますし、シーバスやチヌといった不意に現れる大物でも対応できます。
遠投可能
従来のPEラインは、風に弱い傾向にありました。
アジングは軽いリグを使用する釣りなので、リグの重さで安定が取れず、風に飛ばされてしまう状況でした。
高比重PEラインは、糸の自重があるため安定した遠投ができます。
そのため、今までキャロやプラグでしか届かなかったポイントでも、ジグヘッド単体で届かせることが可能となりました。
感度が高い
従来のPEの比重は、水を1.0とした時、0.97と軽いものでした。
アジングはアンダー1gを主体とする軽い釣りですので、ラインが浮き上がってしまい、糸ふけが出ることで糸のテンションが保てず感度が落ちていました。
比重が0.97以上の高比重PEラインは、浮き上がることなく沈むため、リグとロッドが糸により一直線で結ばれ、状況把握がしやすく感度よく釣りができます。
これは、感度が命のアジングにとっては革命的です。
フォールで喰わす
アジは、落ちてくる物に興味を示します。
浮き上がり体質の従来PEラインは、フォールで喰わすことが難しかったのですが、高比重PEはジグヘッドの重さで沈むのではなく、自然な落とし方ができます。
この自然なフォールこそ、アジが口を使うポイントです。
ボトム付近にいる活性の低いアジに対応できるようになったことは、釣果UPに繋がるでしょう。
アジングで高比重PEラインを使うデメリット
擦れに弱い
PEラインは編みこんで作られているため、引っ張る強度は高いのですが、1本1本の原糸は弱いので、擦れると切れる恐れがあります。
それは、高比重PEラインでも変わりありません。
そのため、ブレイクを攻める際やストラクチャーの多い釣り場、根がきつい釣り場では、糸が擦れてしまい切れやすくなります。
ショックリーダーを組み、PEラインを障害物に擦らせないことをおすすめします。
ドリフト釣法に不向き
表層狙いの場合に不向きなラインです。
表層狙いのアミパターンの際、有効な釣り方がドリフト釣法です。
ドリフト釣法は、潮の流れに任せ、漂うプランクトンを演出し自然に口を使わせる方法です。
高比重PEは、糸の自重により沈下スピードがあります。
そのため、漂う演出ができず表層のアジを素通りして機会損失になります。
より軽いジグヘッドで調節する必要も視野に入れましょう。
ライントラブル
PEラインは伸縮性が少ないため、瞬発的な衝撃でラインが絡むことがあります。
キャスト時の衝撃や、大物が掛かった時の衝撃で糸が絡み、ガイドやティップを傷付けてしまう可能性もあります。
一度絡まると、釣行時間のロスやイライラが溜まる原因にもなります。
解決策は、ショックリーダーを組むことが挙げられます。
衝撃を緩和するショックリーダーを組んで、ライントラブルを減らしましょう。
価格設定
高比重PEラインは、他のラインと比べると割高となっています。
フロロラインやエステルラインなら約1,000円~2,000円、高比重PEラインは、約2,000円~4,000円と高めの価格設定となっています。
伸縮性が少ない分長期で使えるラインと言えるので、長く使って元を取るのか、1回のライン交換の値段を下げるかは個人の感覚次第です。
アジングの高比重PEラインの選び方
太さ
太さは0.2号~0.4号がおすすめです。
細いラインの方が、空気抵抗が減る分、飛距離を伸ばすことができます。
また、水の抵抗が減る分、ラインコントロールもしやすく感度も上がります。
アジングは繊細な一瞬のアタリを見逃さない釣りなので、細ければ細い程釣果が上がると言えます。
しかし、細いと強度が落ちてしまうので、不意な大物を掛けた場合はタックル操作とドラグ調整で闘いましょう。
そもそもPEラインは、強度が売りのラインなので、細くても取り回し次第で問題ないはずです。
その取り回しに慣れていない初心者の方は、強度重視で0.4号をおすすめします。
素材
高比重PEラインは、従来PEと別の素材を一緒に編みこんでいます。
別素材を織り交ぜることで、その素材の比重で従来のPEラインよりも高比重となるわけです。
素材の種類も各社メーカーの独自性が強く、フロロやシリコンといった比重の重い素材が挙げられます。
素材の織り交ぜ方により、比重を上げるだけでなく、摩擦性能や根擦れでの高切れ軽減など従来のPEのデメリットを打ち消す開発がされています。
素材により比重や性能が変化するので、パッケージを必ずチェックしましょう。
編み数
PEラインは、原糸の数により特徴が変ります。
4本編みや8本編みと呼ばれる種類で、店頭に売っている商品はだいたいこの2種類です。
パッケージに記載されている「x4」や「x8」は、そういった意味を示します。
4本編みの特徴は、原糸の太い分、根ズレに強く強度あります。
原糸1本の太さから来るものですが、飛距離が多少落ちます。
8本編みの特徴は、原糸が細い分全体が柔らかく、ガイド擦れが少ないため飛距離が出ます。
しかし、1本1本が細いため根擦れには弱い特徴があります。
何を重視したセッティングにするかで変ってくる選択です。
カラーリング
ここでいうカラーリングは、色の好みから選ぶという点ではなく、視認性という意味でのカラーリングです。
デイで行く場合は、アジから見えづらくする「ホワイト」や「グレー」「透明」をおすすめします。
見切られる心配を減らすためです。
ナイトで行く場合は、アジからの見え方よりも、アングラーの視認性を重視し、「グリーン」や「ピンク」、「オレンジ」といった、分かりやすいカラーを選ぶといいでしょう。
糸ふけを取り、テンションを張っている状態が一番感度が上がるので、視認できることは釣果に直結します。
アジングの高比重PEラインおすすめ8選
まとめ
高比重のシンキングPEラインは、従来のPEラインの強みをそのままに、弱点を克服した新しいラインと言えます。
今までアジングには不向きとされていたPEラインですが、これからは良いとこ取りした高比重のシンキングPEラインで、釣果UPを狙いましょう。
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